転職を検討している方の中には、未経験・第二新卒で大手企業を目指したいと考えている方も多いでしょう。
「中途採用で大手に入社するにはどうすればいいの?」
「新卒では入社できなかったけど大手企業に憧れがある・・・」
そんなお悩みが、トプシュー転職の無料転職相談にも多く寄せられています。
そこで本記事では、中途採用で大手企業に入社するためのキャリア戦略を解説します。
伊藤忠商事出身で現在は転職エージェント「トプシュー転職」を運営するYouseful株式会社代表の”おさ”(長内 孝平)、三菱商事出身で同じくYouseful(株)取締役の”サスケ”(船越 颯介)の対談形式で楽しく読める記事になっています。
大手に転職を考えている、これからのキャリアに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
船越 颯介(トプシューMC:サスケ)
・Youseful株式会社 取締役COO 副社長
・一橋大卒業後、三菱商事株式会社に入社
・2019年7月よりSaaSスタートアップの株式会社RevCommに参画
長内 孝平(トプシューMC:おさ)
・Youseful株式会社 代表取締役社長
・神戸大卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社
・YouTubeユースフル/スキルの図書館を運営し、1,000万回再生のExcel動画などを配信。
※本記事はYouTubeトプシュー / キャリアの図書館 (転職 | 就活)チャンネルより、以下の動画を記事にまとめたものです。動画でご覧になりたい方は、こちら↓をクリックしてください。
日系大手への転職はやっぱり難しい?
今回は、転職エージェント「トプシュー転職」が実施する無料転職相談の利用者様から多く頂く「未経験や第二新卒でも日系大手企業に転職できますか?」という質問に回答していきます。
この質問は、新卒の就活で日系大手を目指していたけど、その時はご縁が無かったから再度チャレンジしたい、という方に多いのかな?
そうだね。第二新卒の方からよく聞かれる質問です。
質問に対する回答としては、転職市場の動きとして、今後日系大手への転職はしやすくなっていくと思いますが、現状はまだまだ難易度が高いといえます。
現状の大手企業の採用総人数のうち、9割くらいは新卒だよね。ここが変わらない限り、中途採用はかなり狭き門だよね。
大手企業が中途採用で求めている人材って、業界のスペシャリストや高い専門スキルを持った人であることがほとんどなので、未経験で第二新卒の方が選考を突破するのは特別なスキルがない限り厳しいと思います。
大手企業で求められる特別なスキルって、どんなスキル?
プロジェクトマネジメントができる外資コンサルとか、公認会計士資格を持った経理人材など、特定領域の専門スキルだね。もちろんポテンシャルを期待されて、未経験職種で採用されることも可能性はゼロではないけど、非常に稀なケースです。
未経験入社が難しいのはまだまだ変わらないんだね。なかなか厳しい話になってしまったけど、冒頭で「転職市場の動きとして、今後日系大手への転職はしやすくなっていく」と言っていたよね。これについてはどんな背景がある?
僕が知っている情報では、世の中的に終身雇用の崩壊が言われるようになって、転職が当たり前になったので、大手企業でも新卒で採用した人たちが辞めていくケースが増えている。新卒採用だけでは人が減る一方になってしまうため、中途採用に力を入れる企業が増え始めているということかな。
おっしゃる通りで、人がそもそも減っているので採用しなければならないというのはありますね。
特徴的な背景としてはもうひとつあります。現在、大手企業各社でDX(デジタル技術の活用)推進が大きな課題となっている中で、DXに関する知見がある人が社内にいないケースが増えています。DXのような新しい領域を担当できる人材を外部から採用する流れは加速していくと思いますね。
第二新卒が日系大手に転職する2つの方法
外部からも入社しやすくなっていくのはいいね。でも、「まだすぐに活躍できるような専門スキルはないけど、大手に転職したい」という人も多いと思います。そういう場合は、どうやって転職を目指すのがいいんだろう?
方法は大きく二つあります。
一つは、現職で市場価値が高まりやすいポジションに就くことです。現職の業種によっては難しい場合もありますが、例えばITのような市場が伸びている領域の業務です。IT関連業務を担える人材は、ポジションの数に対して人が足りていないため、希少価値が高いといえます。または、新規事業のようなプロジェクト型の業務に関わることもオススメです。新しい事業を立ち上げたり、プロジェクトチームを動かした経験があれば、転職市場で評価されやすいからです。
市場価値が上がる場所に自分の身をおけているかが、今後のキャリアを左右するよね。現職で市場価値を上げる機会が得られそうなら、まずはチャレンジしてみるといいね。大手企業を目指すためのもう一つの方法はなんですか?
もうひとつの有効な手段としては、社外で市場価値が高まる経験を積むことです。例えば、MBA(経営学修士)という選択肢があります。
「MBAはオワコン」なんて言う人もいますが、そんなことは無いんですね。
MBAを取ればキャリアで無敵になれるというわけではないですが、キャリアの選択肢を広げる手段としては、まだまだ有効だと思います。
たしかに、僕が学生時代にアメリカに留学していた時、MBAを取得するために留学してきた方々に出会いましたが、みなさん帰国後は素敵なキャリアを歩んでいますね。BIG4(PwC/EY/KPMG/デロイトトーマツ)やコンサル系に転職された方が多いです。自分の市場価値を高めるためには意味がありそうだね。
社外で経験を積む手段として、転職するのもアリだと思います。ここでいう転職は、経験の無いままいきなり大手に転職するという意味ではなくて、大手内定に必要なスキルを身につけるための転職です。さっきも話に上がった通り、現職に市場価値を上げるチャンスがない場合、業界自体に将来性が感じられないということなので、外に目を向けた方が良い可能性があります。
特別なスキルがまだないという方は、外資系企業・コンサルティング会社を目指してみるのがオススメです。どの業界でも通用する汎用性の高いスキルが身につきます。市場価値を高める意味ではIT業界もオススメですね。
大手のような自分の目標とする企業にいきなり入社するスキルが無いときに、まず中間点としてスキルを身に付けられる企業へ転職して経験を積むという方法ですね。キャリア戦略としてはすごく重要だよね。こちらの動画でサスケが詳しく説明しているのでぜひご覧ください!
そうだね。自分の理想をすぐ実現することが難しくても、長期的な戦略を定めて、将来に向けて行動することがキャリアを築くうえでは大切です。たとえば、日系大手企業で働きたい人は、1年後にそれを実現するのは難しくても、まずはその足がかりとなる企業へ転職することで、数年後に実現できる可能性がグッと高まります。
大手企業へ転職しても幸せとは限らない?!
大手に転職する方法について議論してきたけど、他に論点となることってある?
そもそも論になってしまうのだけど、「本当に大手に行くことが正解なの?」というのは皆さんにもぜひ考えてほしいですね。
お~、大手企業にいたサスケがそう言うのはいったいなぜ?!
僕は、総合商社からスタートアップという経歴なので、大手企業・ベンチャー企業双方のメリットを理解しています。恵まれた環境や給与面、社名のブランド的価値においては、大手企業はたしかに素晴らしいです。
しかしそのうえで、トプシュー転職の面談で「大手に行きたいです」と言っている人とお話をしてキャリアの棚卸しや自己分析をしていくと、「この方はベンチャーの方が適性があるな」と感じることも多いんです。
自己分析を経て自分の軸をシャープにした結果「やっぱり大手を目指したい」と思うのは良いのですが、他の選択肢を吟味しないまま盲目的に大手を目指すのは、結果的に不幸になってしまう危険があります。そもそも大手への転職は難易度が高いわけなので、「本当に大手に行きたいのか、それで自分は幸せなのか」という問いには向き合うべきです。
大手のネームバリューってやっぱり大きいし、「誰でも知ってる企業で働いている」ブランドを目指すことも決して悪くはないけど、自分が本当に活躍できる場所なのかは全く別の話だからね。キャリアの本質ではないよね。
おさの言う通りで、社会に出たことがない新卒の就活で、将来のキャリアの選択肢を広げるために大手企業へ行くことはある程度は効果的です。しかし、転職活動は、選択肢を広げるというよりは、自分の理想のキャリアに近づくことが目的なので、新卒の就活と同じ感覚で大手を目指すのはおすすめできないですね。
では、自己分析の結果「自分は大手企業に行きたいわけではない。だけど、どこがいいのか分からない」という方におすすめの選択肢はある?
繰り返しになるけど、市場が成長している業界に転職することが大切だね。たとえばSaaS業界などは、求められるスキルを持った人材が圧倒的に足りていないので、未経験の職種にキャリアチェンジすることが比較的容易です。転職後も実務経験をたくさん積める傾向にあるので、最短でスキルアップできます。
SaaS業界への転職方法については、こちらの動画で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください!
もう一つ、転職先としてオススメの業界は、コンサルです。コンサルというと外資コンサルの方が優秀だというイメージを持たれる方も多いけど、内資(日系)コンサルでもプロジェクトマネジメントが出来る人材などは、転職市場で非常に高い評価を受けています。なので、その後のキャリアの選択肢も広がると思います。
「コンサル」と聞くと外資コンサルをイメージして、自分には無理だとあきらめてしまう人がいるけど、日系コンサルなどの他の選択肢もあるんだね。
日系だとベイカレントなど、優秀な方が多いコンサルティングファームはたくさんあります。コンサルは、意外にも未経験採用の割合が高いので、採用難易度が低い訳ではないですが、しっかり対策すれば十分転職することは可能です。
コンサル企業は、人材の流動性が高く、長年同じ会社に勤める人が少ないから、業界経験のある人材が不足しているんだね。
ある企業のデータだと、中途採用の7~8割が未経験者だったりするので、コンサル業界の経験がないからといってあきらめる必要はないと思います。
コンサルティングファームでの仕事は、それなりに結果が求められるハードなものになると思うけど、その後のキャリアの選択肢が大きく広がることを考慮するととても魅力的な環境だよね。コンサル業界に興味を持った方はぜひチャレンジしてみてほしいね。
まとめ
今回は未経験・第二新卒で大手企業に転職する方法をご紹介しました。
大手に転職するのは簡単ではありません。しかし、長期的なキャリア戦略を描き、必要なスキルを身につければ道が拓ける可能性も高まります。
「本当に大手を目指すべきなのか?」
「現職では市場価値が上がらないかも・・・」
「後悔しないキャリアを歩みたい!」
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひトプシュー転職の無料転職相談をご利用ください。
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